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▼空売りとは
空売り(からうり、英:short selling)は、投資対象である現物を所有せずに、対象物を売る行為。商品先物や、為替証拠金取引でも用いられる用語だが、差金決済を前提としたこれらの市場では売り買いとも「空(から)」である事が前提であるため、端的に「売り」「ショートshort」と呼ぶことが多い。対象物の価格が下落していく局面でも取り引きで利益を得られる手法のひとつ。「信用売り」「ハタ売り」も同義語である。対義語は「空買い」。
目次
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* 1 概要
* 2 空売りの流れ
* 3 空売りの利点と問題点
* 4 逆日歩
* 5 脚注
* 6 関連項目
[編集] 概要
元々の「空売り」とは特定期日に対象物を特定価格で手渡すと約束する対象物の「信用売り」を指した。
当然この契約を遂行するために決済期限前までに対象物を探すことになる。
ここでもし決済猶予期間に対象物の価格が契約価格よりも値下がりすると対象物を安値で仕入れて契約時の高値で決済することになるので差額の利益が生まれる。
逆に対象物の価格が値上がりしていると高値で買い取って安値で手放すことになるので損となる。
現在の株式市場では「空売り」とは証券の保有者から証券を借りて市場で売り、証券の返却期日前に証券を買い戻す行為を主に指す。
この場合は株の貸借の返済期日(制度信用:半年、無期限信用の場合無期限)までに証券の価格が値下がりすると証券を安値で買い戻して高値で決済することができるので差額による利益が生まれる。
一般の投資家は証券会社を通じて株券を借りて売ることになるが、証券会社は証券金融会社を通じて他の証券会社や機関投資家、信託銀行などから借り受けることで調達する。
また機関投資家が直接大口株主と株券の貸借(株券消費貸借)契約をおこない、そのさい借りた株券を売却することもある。
英語においては証券を一定期間借りて市場で売り証券の返還日前に買い戻す行為をShortSelling、株を借りずに売りの契約を結ぶ行為を NakedShortSellingあるいはNakedShort(裸売り)とよぶ。
裸売りの場合は手渡す株を確保(Locate)していない段階で売りの契約を結ぶので株の引渡し前に手渡す株を市場で探すことになるが、株が市場に売りに出されておらず見つからない場合は”
FailiureToDeliver"、(契約不履行)となる。
元々の「空売り」の意味はNakedShortSellingのほうが近い。 NakedShortSellingはまさに空(信用)の売りであるので多くの証券市場で法的な制限が存在する。
ShortSellingの場合は取引高が借受け(Locate)できる現物の株の数に限定される。
一方でNakedShortの場合は理論上は現時点で市場に出回っている現物株の数と関係なしに信用売りの契約を結ぶことができるという違いが存在する。
過去には仕手戦においてNakedShortの「空売り」が横行し空売りは投機行為の代名詞となり空売りという言葉自体にネガティブなイメージを持たれるようになった。
現在では空売りに対して様々な法的規制が存在し空売りといえばほとんどの場合は借り受け売りのことを指すようになった。
一方で空売りは現物株が市場に出回っていないときにも売買契約が可能(市場の流動性)になるという効用が存在するため証券取引の活性化されるという利点が存在する。
また空売りによる取引額の増大により証券市場においてより株の適正価格が確保されるという意見と空売りにより投機行為の増大により株価が適正価格から遊離するという意見が存在する。
また特に前者の空売りは現物株が存在しない段階で結ぶ架空の売り行為でありこのような経済活動は制限されるべきであるという意見と空売りにに対する規制は自由契約の原則を犯す行為であり好ましくないという意見が存在する。
NakedShortは厳密には決済期日までに反対売買により差金決済をおこなう先物取引に相当するため、現在の現物株取引市場においては規制(T+3ルール)が存在する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』